
いま行かなくて、
いつ行くんだ
東北
震災から間もなく一年。
昨年のことを振り返るとまず頭に浮かぶのはやはり震災であるが、今年はどうだろうか。
人間は忘れてしまう生き物と言われる。記憶や受けた衝撃、良いことも悪いことも日々少しずつ薄れてしまいがちだ。
もしかしたらあの震災のことでさえもいずれはそうなってしまうのかもしれない。
正月にそんな事を思い、そうなるにしてももう一度、自分の目で現地を見てみたくなり、行くなら震災から1年が過ぎる前にと急遽東北、前回いけなかった三陸と、秋田、青森へ。
当初は苫小牧からのフェリー往復を予定していましたが、予約する段階でそのフェリーの欠航が判明。列車で向かうことにしたが、青森も北海道並みに雪が多い。
列車が遅れ、八戸の市場見物もスルーしてやりくり、レンタカー屋を何とか1時間遅れで出発。ちょっと幸先が悪い。
そもそも冬の東北を1泊2日滞在で八戸ー三陸ー秋田ー青森ー八戸という行程の組み方自体がキツキツなのだが、東北訪問を後押ししたのが、三陸・山田町でかき小屋が復活したというニュース。
かき小屋は以前四国(香川・志度湾)でお邪魔した際大変気に入ってしまい、密かに全国のかき小屋制覇を目論んでいることももちろんなのだが、津波被害の甚大な三陸を組み込むことを大きく後押ししてくれたニュースで、無理にでも行こうと思ったのだ。
前述の通りの大雪と、行程の遅れで当初山越えルートを考えていたが、3月末までの東北道(白河以北)無料化もあり、大きく花巻を経由して山田町へ。
走りに走ってたどり着きました。


静かな山田湾の中に真新しい建物。
地域の水産業の希望のシンボルのひとつなのでしょう。
津波で壊滅的な被害を受けたという三陸沿岸で、建物が流失したというかき小屋。
よくぞ再開してくださいましたと感謝。





小屋というより真新しい店内には、あちこちに真新しい大漁旗が飾られる中、同じように復興かき小屋の再開を聞きつけ関東や関西からお客さんが来ており、予約しなければ入れないかもしれないと言われていましたが、なるほどの客入り。
連絡は入れてきましたが、雪の影響で到着が遅れた我々を、暖かく迎え入れてくれました。
店内はハマの母さん、父さんの明るい声が響き、お客さんに美味しい牡蠣と楽しい時間を提供しているようです。遅れをとっている我々もでは早速…

四国のかき小屋と同様、一度に50個近くの牡蠣をシャベルですくって…



ざばざばざばざば……っと
いんや~
豪快です。


蒸されるまで待ちます。
時折様子を見ながら。
四国(香川・志度湾)のかき小屋との違いは、山田町は蒸し牡蠣の食べ放題であること。あちらは焼き牡蠣でした。

ちなみに食べ放題以外のメニューもあります。
焼きそばも気になりますなぁ。

取り皿もセットされ、いよいよ…




蒸されるまでの時間にわくわくしながら、ふたを開けた時の蒸気のスゴさ。
いや~、たまりません。



アツアツの牡蠣は各テーブルについてくれるハマの母さんが剥いてくれます。
われわれはまさにわんこ牡蠣状態。


津波を乗りこえていかだに残ったという牡蠣。
ぷっくりと大粒のものから、味の濃い小粒のものと大小様々だが、どれも旨いです。
テンポよく殻を剥いて食べさせてくれるので二回戦に突入

たくさん食べていると“味変”したくなるもの。
かき醤油やレモンなどで。



この食べ放題にはライスもついてきますが、母さんからかきご飯の食べ方を伝授。
見たまんまの食べ方ですが、実にうましです!

そんなこんなで結局100個近い牡蠣をいただきましたが、ハマの父さん母さん揃って
「お兄さんたち、まだまだねぇ」
と豪快に笑い飛ばされてしまいました。

地域の姿は変わってしまったが、今回出会えた地元の方々もこの一年の間に想像を超える様々な出来事があっての言葉があり、明るさの中にも重みがある。
我々はサービスを提供されたたけと言えばそれまでなのだが、津波を乗り越えた牡蠣を通して、この土地で生きているという決意と、そして震災後の全国からの支援への感謝ような気持ちが伝わってきたように感じた。

一生懸命蒸し器を磨くハマの母さん。
心をこめて次のお客さんを迎えようとされている姿を感じました。

ありがとうございます。
大変美味しかったです。
何回かこんな言葉を発した気がしますが、本当に言い足りない気持ちでここを後にしました。口の中に牡蠣の味だけではない味わいを感じながら。
いつか、また来ます。
ごちそうさまでした。
■復興かき小屋(要予約)
住所:岩手県山田町船越9-270
時間:11:00~、12:00~、13:00~、14:00~
定休:水・木曜日
電話:0193-84-3775(山田町観光協会 8:30~17:00)